子供の頃に商売した話

小学校の低学年の頃、親がお菓子のパッケージ用のビニールを私に渡した。枚数にして4、50枚ほどあっただろうか。
厚みがあってしっかりした素材のビニールは丈夫だったので、私はアニメ雑誌(懐かしのアニメデア)の表紙を油性ペンで写して、赤い部分は油性ペンで着色して友達に宛てた手紙を入れて学校に持っていった。
学校の友達は、ビニールを見て自分もほしいと言い出した。絵がうまいね?自分もお便りバックみたいなのほしいな。
話していくうちに、段々金銭のやり取りになっていった。多分お店屋さん感覚で、しかも値段は30-50円ほど、気軽な会話で話していたのを覚えている。

そんなこんなで、次の日に渡すためにアニメ雑誌でバストアップしてる絵を探した。
うる星やつらのラムとミンキーモモのモモがいい感じだった。
雑誌とビニールを重ねて、丁寧に絵を描いて赤く模様も描いて次の日持っていくと好評だった。友達は口コミでお客を連れてきた。
口コミが口コミで…気がつくと、数日で500円ほど稼いでいた。

しかし、頭をよぎったのは売れてる喜びよりも先生に怒られるんでない?だった。
金銭のやり取りに加えて、金額が大きくなっていったのが怖かった。絵がうまいのは写してるんだから当たり前なんだけど、それでガンガンお金を落としたのは驚きと怖さを感じた。

500円越えたところで私は絵を描くのをやめた。
先生に怒られるかもしれないからやめると言っていたと思う。

ちなみに、写したからうまいのであって、自分の技能は残念な感じです。