ニムちゃんというネコ

ニムちゃんは昔いた先住猫で、乳腺のところの癌が大きくなって死んでしまった。
とにかく、オットーが飼っていた猫なので、オットー以外には制御できない猫だった。
賢かったし、とても毛並みがきれいでロシアンブルーのような風貌だった。グレーと白のツートンカラーで鼻の片方が白いので、かわいいワンポイントしてるなと思っていた。
性格はオットーにやや似ていて、やりたいことしてほしいことがはっきりしている感じだった。話を聞いてもらえないと思うと、これ見よがしに放尿して主張するという暴挙は、まさにネコの気質かなぁと思う。
驚くべきは、とても気に入らないことが起きるとと飼い主のオットーの頭ですら放尿場所に選ぶという女王様っぷりだった。
私が来ると、まずてに噛みついたり一切触らせなかった。
結婚してなかった頃は、たまに世話してたけど鼻をすり付けたりもしないし寄り付きもなかった。
私が、動物触りたがりの性格ゆえに警戒されていたのはよくわかった。
二人で出掛けるときは、篭にいれて移動してたけど7キロ位あったので巨体を移動させるのは重かったなぁと記憶している。

坊っちゃんが生まれると、赤ちゃんの頃は遠くから見ていたので、わりとこの辺りの空気は読む感じだと思ったけど、坊っちゃんが歩き始めるてニムちゃんに構おうとすると坊っちゃんを押し倒したりしていた。
坊っちゃんが幼稚園児になっても、ニムちゃんは強かった。人間より強いネコなので、今も坊っちゃんはニムちゃんを恐れている。

こんなニムちゃんでも晩年の老いには勝てなかった。
高いところから落ちて腰痛を患い、高いところに乗れなくなったり、尿意を制御ず失禁もした。
大きな地震を経験して、ショック状態になると人間のトイレを自分の寝床にして出てこれなかったりした。

腫瘍を患うと、たまに発作も起きた。
病院に入院して腫瘍をとったものの、明らかにとりきれてもなく完治もしてない感じだったのは見るからにわかる状態だった。
あとは、ゆっくり緩やかに見守るしかないかないくらい段々弱々しくなった。

生きてる限り、生き物の生死はついて回る。

悲しいけど、乗り越えなきゃと常に思っている。

ニムちゃんはいまだに話にも出るし、名前を間違えるときもある。
忘れることのない動物なのだ。