変わってしまった息子の同級生

息子の同級生の話だ。
卒業式、息子が中学最後と言うことで、カメラを構えつつ様子を見ていた。三年間、やや手を抜いたり反抗期で家でやらかしたりでヘビィな期間を過ごしたけど、それもまた成長過程の波なのかなぁとぼんやり思い出していた。

卒業証書授与の時の、あることに気がついた。
壇上に上がる生徒のなかで、一人様子のおかしい子供がいた。
体を揺らして落ち着きがなく、後ろで手を組んだりニヤニヤ笑いながらしている子供がいた。
近所にすんでいたA君だった。
あまりにも一人浮きすぎて、精神に異常をきたしたのかと思ってた。
普段やらかす子供ですら、背筋を伸ばして精悍な顔つきで校長先生から卒業証書をもらっているのに、A君は校長先生の目前で卒業証書にてすら出さない。
しばらく体を揺らしてニヤニヤ笑いながら見てるだけだ。
場が凍りついたが、しばらくしたらA君は奪い取るように片手で持っていった。

そのあとの卒業生の言葉で、A君は一足先に建築業の仕事につくことにしたとニヤニヤしながら話した。それを見ていたA君のお母さんは、微笑むような顔で見ていた。

聞くとA君はしばらく学校に来たり来なかったりのような期間を過ごしていたらしい。

小学校の時は寿司職人になりたい!と明るい声で卒業式の言葉を語っていた彼だったけど、あんなにもなぜ変わってしまったのか?
なんだかすごく心を揺らすような卒業式に、なってしまった。