祖母との買い物は恐怖だった

子供の頃、祖母と服の買い物に行くことが度々あった。
基本祖母はあまり外に買い物に出掛けてる印象がなくて、人に使いを寄越したり注文して届けてもらってたのがもっぱらな感じだった。
太陽の光を浴びたり、冷たい風にあたると具合が悪くなると言ってたのが原因なのかな?当時の年齢は56才と恥ずかしげに言ってたのが印象的だった。

そんな祖母だけど、父が町につれていって伊勢丹で買い物に行くのだけど、私には恐怖の時間だった。

二人でエスカレーターを昇る。
お店に入り、セーターやシャツ、ブラウスを手にとって店員とフィッティングしたり生地の確認したり色合いを合わせたりする。
が、タグの値段が普段買わないような値段なので自分はソワソワする。
こんな値段の服は普段見たこともないし、買わないのでオロオロしつつ見守るのみ。
祖母はいくつもいくつも店員に渡して、最後は必ずカードを渡す。現金で払ったことはなくて、必ずカード決済なのだ。それがなおさら子供ながら解らず恐怖だった。
この歳になって、自分が服を選んでるときにソワソワして落ち着かないコロポックルみたいな子供がいたらホントうざいわ…。

今思えば、当たり前だと思った状況もそうでなかった我が一族ではあったのだけど、自分からすると割りと普通な祖母でその買い物だけが怖くて仕方がなかった。

祖母はなくなったので、もうそんなこともなくなったけどね。